千年住宅を経済から考えてみた場合、どんなメリットがあるのだろうか。千年住宅は、各部材に耐久性のある高価な建材を使うので、もちろん建設費用にはねかえってくる。しかし、ふつうの家よりも十倍長もちするからといってイニシャルコスト(初期費用)が十倍になるとは限らない。私がおこなった簡単な試算では、もっとも基本的な「千年住宅」ならば三〜五倍の費用で建てられる。一方、メンテナンスの費用も決して軽視はできない。むしろ建築費用より、重要といってもよかろう。例えば集合住宅の場合、どんな物件であっても、屋根の防水性能を考えれば二十年に一度は大規模修繕が必要になり、数百万円以上にものぼる費用を用意しなければならない。メンテナンス費用は馬鹿にはできないのだ。では、「千年住宅」ならどうか?もともとそれぞれの部材のもつ耐久性が非常に高くシンプルな設計になっているために、メンテナンスコストは非常に低く抑えられる。一番の弱点である屋根の防水や壁面からの水の浸入に対しても、強い耐久性が発揮される。もちろん電気器具や配管類は定期的に交換が必要だが、作業が容易になるように考慮しておけば、従来の住宅に比べて三分の一程度にメンテナンスコストが下げられる。
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