住宅供給にとって不可欠な存在

2011.10.14

個々の住宅ローンに対してはとても大きなリスクではありますが、数が多く集まれば集まるほどリスクは分散されて安定的なものになります。第2に金利変動リスク。住宅ローンのような長期融資では、将来金利が上昇した場合、調達金利よりも低く固定された金利でしか返済が行われず、そこで逆鞘が発生するというリスクがあります。第3に期限前償還リスク。これは住宅ローン等の長期にわたるローンに特有のリスクです。当初組んだ住宅ローンよりも金利の低い住宅ローンが登場すれば、それに借り換えて、それまでの長期借入を一気に返す借り手は少なくありません。借り手にとっては都合がよいのですが、貸し手にとってはそうではありません。金利が低くてどこに貸しても儲からないときに返金されるからです。旧住宅公庫は、国の財政投融資(財投)による資金調達を背景としていたため、この3大リスクをそれほど気にせずに住宅ローンを供給し続けることができました。日本の住宅ローン市場で、旧住宅公庫が本来主役であるべき民間金融機関に代わって主役を演じ続けたのは、こうした理由によります。もちろん、その結果として大赤字を抱えるようになったのですが、それでも旧住宅公庫は国民への住宅供給にとって不可欠な存在でした。それは紛れもない事実です。

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